お嬢様の秘密ー番外編ー
ーただいま


「あら。もう3時なの。」


「梶原も時間教えてくれたらよかったのに。」


「申し訳ございません。奥様方の話止めるのは何分申し訳なくて………。」


何もお伝えせずに時間になりましたのでお二人をお迎えにあがりました。


そう言った梶原の口調に申し訳なささが全くない。


「あら。私と旦那が話しているときにはいつも止めてくるじゃない！」


そう言って子供っぽく拗ねて見せた。


「「お母様。ただいま帰りました」」


「お帰りなさい。」


子供達は来客者に気づきすぐに姿勢を整えた。


「ユリ様、お久しぶりでございます。」


「ゆっくりしていってくださいね。」


「ありがとうございます。玲菜さんと、湊くん。」


ユリは少し目を細めた……おそらく関心しているらしい。


「よく出来ました。今日は何するの？」


「今日は玲菜と僕と梶原でお稽古する日です！」


「私もですか…………。一体何のでしょう？」


「古武道教えてくださるって梶原言ったじゃない！」


プクーっと顔を膨らませた玲菜はまだまだ可愛らしい。


「そうでしたね。それでは奥様方、失礼します」


「「失礼しました」」


「よく出来た子供だわ………」


ユリがポツリと呟いた。
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