お嬢様の秘密ー番外編ー
「2人とも大きくなったね………。」


「そうね。あれから5年経つのね………。」


「それにしても年齢に合わないわ、あの態度。」


ユリが苦笑いで答えた。


まだ礼儀作法にはあどけなさとたどたどしさが残るが、同年代の子と比べたら断然立派に出来ていると思う。


「親バカするつもりはないけど少しはそう思うわ………。」


将来困らないように作法だけは厳しくしつけてきたつもりだから。


「将来が楽しみだわ………。」


「この子のいい見本になるお兄ちゃん、お姉ちゃんになってもらわなきゃね………」


私がお腹をさすると………


「あ、今お腹蹴ったかも。」


「ホント?今の夏菜の言葉に返事をしてくれたのね。」


「そうだといいね………」


「きっとそうよ。」


2人で笑いあう。


子供時代から変わらぬ光景。


そしてこれからも。


「じゃあそろそろ私は帰るわね。」


「もうそんな時間か………。」


「夏菜、また来るから。」


「うん。楽しみにしてるわ。あと、ユリにも褒めてもらえるようにあの子達をちゃんと育てていくから。」


ユリは一瞬目を大きく見開き、そしてすぐに笑って言った。


「もう十分いい子たちよ。………それじゃあまたね。」






これからもこの関係がずっと続きますように………






-夏菜side end-
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