野獣の誘惑
サラサラの彼の髪が首にあたって くすぐったい
早く離れて欲しい 



大きく息を吸い込んだと思ったら 優しく唇で首を吸った


ビクッ



襲われるっと思った瞬間 ガバッと離れた




「早く帰れ!」




え?




「襲われたくないだろ。」



それはそうなんだけど 勝手に連れて来られて ここが何処かもわからない私
帰りたいんだけど帰れない




大きく息をはいて落ち着かせてるのだろうか
何も言わない



「悪い。送って行く。」



低い声で言う彼に どくんと心臓が跳ねる
あれ以来 私に視線を向けなかった



彼が言う 確認は終わったらしい
私の匂いを嗅いで何になるんだろう



他人に匂いを嗅がれた事のない私
もしかして臭かった?急に不安になる


ちゃんと家まで送ってくれた
送ってもらったのは良いが 自分が住んでいる場所を言って良かったのだろうか?
ストーカーされないか心配になる



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