タイムトラベラー・キス
「ねぇ、さっきの人たちって知ってる?」
「あー、確か高校の先輩たちじゃねぇかな。なんかの部活やってて、たまに見かける。あの人たちがどうかした?」
「いや、見た事あるなぁって思っただけ」
……高校の先輩だったか。
嫌な予感が的中しそうで怖いけど、今は気にせずに、野々村くんとのデートを楽しむことにした。
私たちは、映画館から出て少し歩いたところにある洋食屋さんに入った。
昔ながらの雰囲気に包まれたこのお店はオムライスが名物だ。
「お前は奥に座れよ」
店員さんに席を案内された後、野々村くんは私に奥の席を譲ってくれた。
……今日、何度か思ったけど、どうしてこんなに女の子の扱いがうまいんだろう?
もやもやしながらメニューを見ていると、急に野々村くんの笑い声が耳に入った。
「どうしたの?」
「いや、すごい顔でメニュー見てるからさ、どれだけ悩んでんだよって思って」