タイムトラベラー・キス
そして、とうとう昼休みとなった。
教科書等を机にしまい、理子に一言「行ってくるね」と告げて教室を出る。

さすがの27歳でも、呼び出しには少しおびえてしまう。
体育館に向かう一歩一歩が重くて仕方ない。


罵声を浴びせられるだけだったらいいけど、殴られたらどうしよう。
その時は全速力で逃げるしかないかな……。
体育館シューズを履いているのでいつもより速く走れるかも。


……体育館裏に到着すると、そこにはやはり予想していた顔が並んでいた。
ゴールデンウィークに遭遇した先輩4人だ。
特に私を睨みつけていた人が、ずっと探していた手帳を手にしている。



「……あら、一人で来たんだ。勇気あるじゃない」


「用件はなんでしょうか。手帳と上履きを返していただけますか」


「あ、ごめんね。あんな汚い上履きはゴミ箱に捨てちゃったんだよねー。持ち歩くのも嫌だから」


そう言って、先輩たちは声高らかに笑った。
私を見る目は明らかに見下していて、非常に気分が悪くなる。

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