タイムトラベラー・キス

「言っとくけど、俺の気持ちは全く変わってねーから」


体温が何度も上昇したような気がする。
微熱が出たときよりも体が熱くて、くらくらしそうだ。

……そのくらい嬉しくて、ドキドキしちゃった。



「野々村くん……」


「俺、お前のことを諦めるって言ったけどさ……お前の気持ちが落ち着くのを待っていてもいいか?」


「うん。ありがとう。そう言ってくれて……すごく嬉しい」


野々村くんは、いつも私の意見を尊重してくれる。
ぐいぐい引っ張っていくように見えて、大きく受け止めてくれるところが大好き。


27歳の私は野々村くんが好きだから、今すぐにでも付き合いたい気持ちだけど、それはやっぱりよくないよね。
時間をゆっくりかけて、少しずつ、二人の関係を築き上げていけばいい。

そうして、少しずつ、私のいる未来へと進んでいくのだろう。


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