殺戮都市~バベル~
店内と商品は、元の世界とあまり変わらない。


まあ、少し変わっているとすれば、「拘束用具コーナー」とか、「拷問用具コーナー」がある事くらいか。


とりあえず弁当コーナーに行き、牛カルビ弁当を手に取って店を出た。


さっき、新崎さんと入った時にシステムは教えてもらった。


ここにレジはなく、商品を持って店を出ようとすると、勝手にPBMからお金が引き落とされる。


ちなみにコンビニ袋は勝手に持って行って良いみたいだ。


もしもお金が足りなかった場合、自動ドアは開かないらしい。


店内で食べて、外に出ようとした場合も同じ。


もしもそれでお金が足りなかったら、閉じ込められてしまうから注意が必要だ。


店を出て、拠点に向かおうと歩き始めたその時。








「よぉ、坊主。あのさ、俺達腹が減ってるんだよね。その旨そうな弁当、恵んでくれない?」











コンビニの横で、食料を買って出て来る人を待ち構えていたであろう三人組が、ニヤニヤしながらそう言ったのだ。


この街にも、こんなわけのわからない連中がいるんだな。


いや、この街だからこそいると言った方が良いのか。


「いや、あの……俺も腹が減ってるんですけど」


俺がそう言うと、元の世界だったら、かなりヤンチャをしてそうな男が立ち上がって俺に近付いた。
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