殺戮都市~バベル~
何が起こったかわかっていない様子で、切断された腕と、地面に落下した腕を交互に見る。


「う、うひぃぃぃぃぃっ!!う、腕が!腕があぁぁぁぁぁっ!」


「ほ、星5レア!?む、無理だぜ!絶対勝てねえって!!」


「わ、私達は悪くないからね?そいつが全部言った事だから!」


手塚を置いて、他のやつらが逃げて行く。


俺が弱いと決めつけて殺そうとして……勝てないとわかったら戦いもせずに、仲間を置いて逃げる。


「お、お前ら!!わ、悪かったよ……まさかあんたが星5レアだって知らなくて……」


「星5レアだったら何だって言うんだよ!」


怯えて後退する手塚の脚を斬って地面に倒す。


「ぎゃあああああっ!!い、いてぇぇっ!!あ、謝ったのに!悪かったよ!三笠の事を笑った事は謝るから!もう許してぇ!」


地面をゴロゴロと転がり、涙ながらに訴える手塚。


その姿を見て俺は……妙に悲しくなった。


「三笠……こんなのが、お前が求めた仲間かよ。俺は……こんな仲間はいらない!」


これ以上、手塚に対して何をしようとも思えなかった。


腕と脚を失っても、ソウルを使って回復出来るだろうと思ったから。


だけど……。











「どうした?それで終わりなのか?今徹底的にやらねば、そういうやつは懲りないぞ?」












背後から聞こえたその声に、俺は慌てて振り返った。
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