殺戮都市~バベル~
東西南北の軍があるみたいで、各軍に分かれて戦争でもするのかな。


何だって良いけど、とりあえず面白くなかったら放置すれば良いか。


「あ、真治!あなた日直でしょ!黒板消さなきゃ授業始まっちゃうよ!」


俺と三笠が廊下で立っているのに気付いたのか、幼馴染みの中川理沙が大きな声で俺を呼んだ。


「あ、う、うん。ちょっと待って!」


理沙に急かされて、慌てて「南軍」を押し、スマホをポケットに入れて教室に向かって駆け出した。


ゲームのチュートリアルは、後でやれば良いだろうと思って。


だけど……。











「キングを破壊してください」









その声が、激しい頭痛と共に頭の中に響いた。


「な、なんだ……今の声」


頭を押さえて、辺りを見回しても誰もいない。


聞いた事もない声だった……。


それに、頭の中に直接響くような。










「円形都市バベルは、あなたの活躍を期待しています」









今度は、頭痛と共に吐き気まで。


目に映る景色が、ぐにゃぐにゃと曲がって見える……。


ダメだ、立っていられない!


平衡感覚をなくし、廊下に倒れた俺は、意識を失うほどの強烈な頭痛に襲われた。


そんな俺が、意識を失う前に聞いた言葉……。










「バベルにようこそ!」









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