殺戮都市~バベル~
盾が黒井の身体の上を通り過ぎる。


と、同時に、下からランスを突き上げて、盾を持つ左腕を突き刺したのだ。


これは……黒井との戦いの時に俺が取った行動に似ている!?


俺とは大きく違うのは、攻撃を確実にヒットさせている所。


この辺りはさすがとしか言いようがない!


そして、ここが最大のチャンスだ!!


下方からランスの攻撃を受けた左腕。


飛び上がり、上方から挟み込むように日本刀を振り下ろした!


ガツッという、鈍い音が手に伝わる。


しかし、その攻撃も、ナイトの強固な骨で止められてしまったのだ。


肉は切断する事が出来た……だけど骨が!!


「チッ!これでもダメかよ!どんな化け物なんだこいつは!!」


ランスを支えに後転して、大きく後方に飛び退いた黒井。


俺もナイトの腕を蹴って後退し、黒井の近くに着地した。


「でも、前よりもダメージを与える事は出来ています。本当にやれそうですね」


「そ、そうなのか?俺はダメかもって思い始めて来たんだけど……じゃあもう少し頑張ってみるか」


……しまった。


このまま逃げられるチャンスだったのに、余計な事を言ってしまった。
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