殺戮都市~バベル~
そわそわしながら、それでもソファの腕置きにもたれて眠る事が出来た。


俺が起きたのは……何時間経ってからなのだろう。


ざわめきが聞こえ、目を覚ますと……目の前には美優と真冬の姿。


「や、行ってきたよ。女の子が一緒だって言うからさ、服を何着か持って来たけど……幼女ですか」


まだ寝ている優と亜美を見て、真冬が小刻みに首を横に振った。


「動きやすそうな服がほとんどだけどね。サイズがわからないから、私と同じサイズにしたけど」


美優の手には、デパートのカゴが。


「うーん……あれ?真治?なんでそっちに……って、誰!?この人達!」


二人の声で目を覚ましたのか、優が目を擦りながら身体を起こして……驚きの声を上げた。


「えっと、真冬さんと美優さん。こっちは優で、寝てるのが亜美です」


名前だけで良いだろう。


経緯を説明すると、とんでもなく長くなるから、知りたかったら本人に聞いてくれと思って。


「なりゆきで真治君に協力する事になったんだ。あ、高校生は守備範囲外だから安心してね、優ちゃん」


……簡潔な説明をありがとう。


そんな事よりも俺は、まだ恵梨香さんは捕らえられているのかが気になった。
< 605 / 1,451 >

この作品をシェア

pagetop