殺戮都市~バベル~
次は名鳥に亜美達を引き渡す。


公園を離れて、二人が待っているビルに向かった。


その間に、どうやって二人と出会ったのか、なぜ俺が二人を気に掛けているのかを皆に話して。


そしてやって来た部屋の前。


ノックして、ドアを開けると……。


「お兄ちゃん、おかえりなさい!」


亜美が、嬉しそうに笑顔を浮かべて俺に駆け寄って来た。


前回津堂に殺された時は、10日間も戻ってこれない結果になってしまって、寂しい思いをさせたからな。


「亜美、ただいま」


そう言って亜美の頭を撫でる。


「真治……って、え!?名鳥さん!?四強が二人もいるなんて……な、何。どうしたの」


狩野だけならまだしも、東軍で最強クラスの人間が二人もいるのは、優にとっては驚きでしかなかったのだろう。


何が起こるんだと、不安そうな表情に変わっていた。


「戻って来て早速なんだけど、俺は今から西軍に行かなきゃならないんだ。だから、亜美と優は、名鳥さんのところに行ってほしい」


状況がいまいち飲み込めない様子で、優は首を傾げながら俺と名鳥を交互に見る。


亜美に至っては、何一つとして理解出来ていない様子で、ニコニコと俺を見上げていた。
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