殺戮都市~バベル~
ハルベルトにしがみ付き、ガクガクと膝が震えている池上。


立っているのがやっとのようだが……。


今の状況なら、単純に俺の方が不利だ。


鎖分銅が、近くにあるとはいえ、俺から離れた位置に落ちている。


しかも、運悪く切断された右腕がしっかりと鎖分銅を握り締めていて、消えもしないし再び取り出すことが出来ない状態だ。


つまり、今の俺は普通の人間と同じ状態。


戦っている間はそれほど感じなかった痛みが、まるで太鼓でも叩いているかのように、ドンドンと音が鳴っているように襲って来る。


ほんの2メートル程の距離。


飛び付けば、足に絡ませる事は可能だけど……池上が俺を殺す気で飛び掛かって来たら、それすら叶わず殺される。


今は、そういう状況だけど……武器がなければ間違いなく死ぬ!


グッと地面を蹴る足に力を込めて、鎖分銅が落ちている場所へと走った。


しかし……そんな俺に、鬼気迫る表情で池上が迫っていた。


PBMを取り出して回復する事も出来ただろうに、その間に俺に攻撃される危険性を回避する為だろうか。


突き付けられたハルベルト。


俺はまだ、鎖分銅に届かない。


絶体絶命のこの状況で……。












「うわああああああああああっ!!」










大声を上げて、池上に飛び掛かったのは服部だった。
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