殺戮都市~バベル~
「だったらなんでキングを破壊したの!?……まあ、それしか方法がなかったとはいえね」


梅原が、複雑な表情を浮かべて俺に尋ねる。


「まあまあ梅ちゃん。池上がいたら、僕達は捕まったままだったんだし……終わった事を言っても仕方ないよ」


「ああっ!もうっ!相変わらず城井君はユルいんだから!そんなのわかってるよ!」


そう、これは、一部の人間の自由と恨みの為に、西軍全体を巻き込んだ私闘。


他の人間からしてみれば、迷惑でしかない行動なのだ。


「やるしかねぇんじゃねぇの?南軍の攻撃が激しくなるってんなら、俺達が前線で戦うしかねぇだろ。ま、雑魚をやればソウルも稼げるし、また強くなるしかねぇよな」


「お、なんか熱い事言ってるねえ。そういうの、嫌いじゃないよ。まあ、私達には今回の件が関係ない吹雪もいるしね。何とかなるでしょ」


二毛と雪子の言葉が、ここにいる皆を鼓舞しているように聞こえる。


これが仲間と言うやつか……。


と、俺がそんな事を思った時だった。








『あなたが西軍のキングを破壊しました。10分以内に次のキングを選んでください』





俺のPBMから、そんなアナウンスが聞こえたのは。
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