殺戮都市~バベル~
「う……うぅん……」


激しく揺すられ、吐息のような声を出しながら、目を擦る。


この体勢だと、俺は恵梨香さんに膝枕をしてもらっていた事になるけど、どうしてそんな事になっていたのか。


……違う違う!


考えるべき事はそれじゃない!


「起きてください!大変なんですよ!今、PBMから西軍のキングが破壊されたって……」


まさか眠っている間にこんな事が起こってしまうなんて。


俺がそう言うと、驚いたように目を開いて、ガバッと身体を起こした恵梨香さん。


「キングが破壊された!?どういう事だ!」


「どういう事って……わかりません。俺もそれが聞こえるまで、寝てましたから」


本当に、何が起こったんだ。


戦闘が発生して、南軍の誰かがキングを破壊したのか?


……いや、PBMを見ても、戦闘が発生しているような様子はない。


西軍じゃないの誰かが西軍に侵入したか、潜んでいて、キングを破壊した……と考えるのが普通か。


「これは……少し困った事になったな。バベルの塔に攻め入るのに、戦力が必要だと言うのに……西軍の人間の武器レベルが半分になったのは問題だな」


そうか、キングが破壊されたら、残された人達の武器レベルは半分になるんだ。
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