殺戮都市~バベル~
……えっと。


これは、神谷も一緒に来るという事で良いのかな?


松田を倒さなくても、かなりの戦力が仲間になってくれたように思えるんだけど。


「ふ、ふざけるな!私が頼んだ時は『響かねぇ』とか言っておきながら、少年が頼んであっさり許可するとは、貴様にはプライドがないのか!?そもそもがだなぁ、貴様がバベルの塔を目指すとなったら、子供達はどうする!あの老人一人で養うなど不可能に等しいんだぞ!?」


急に立ち上がり、纏まりかけていた話を壊そうとでもしているかのような勢いで、文句を口にしだした恵梨香さん。


「いや、お前は俺を仲間にしたいのかしたくないのかどっちなんだよ!さすがにわけわかんねぇぞ!?」


早速神谷も、恵梨香さんのわがままに振り回されてるな。


いつからか、恵梨香さんは妙に俺に対抗意識を燃やすようになったんだよな。


多分、少しずつ積み重なった想いが、南軍に入る為にナイトと戦った時に爆発したんだ。


「どいつもこいつも少年少年……そんなに私より少年の方が優れてる!?私だってバベルの塔を攻略したいって思いはあるんだから!」


なんか、言葉に恵梨香さんの素が出始めたぞ。


この駄々っ子のような恵梨香さんを、神谷と二人でなだめるのに、それから30分を要した。
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