殺戮都市~バベル~
俺が気になっているのは、やはり大山田裕次郎だな。


男らしい名前だから、さぞかし強いやつなんだろう。


出来れば戦いたくはない相手だ。


「私がいた時と布陣が変わっていなければ良いのだが。どうだ?お前が知っている情報を教えてくれ」


恵梨香さんが知っている情報というのを俺は知らないから、神谷の言葉に耳を傾ける。


「そうだな、まず西軍の光の壁側には、緑川秋太の部隊が陣取っている。俺もここを守っていたが、それより後の事はわからねえ。で、東軍側には、永田飛鳥、平山安芸。こいつらは侵攻軍だな。問題なのは……中央にいる川崎龍太郎と大山田裕次郎。こいつらとはまともに戦わない方が良い」


「この中央にいる二人は強敵だな。防衛、侵攻、状況に応じてどちらにも対応するフットワークの軽さがある。北軍のどの場所で戦っていても、知らせを受ければ駆け付けて来るだろう」


神谷と恵梨香さんの話を聞いていると、つまりはどこも危険地帯なんだろうな。


安全な場所なんて、中央部に近い場所しかなくて、松田がいる学校に近付けば近付くほど危険度が増すと、二人に力説された。


この作戦会議は、改めて北軍侵攻がどれだけ危険かを教えられただけだ。
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