お隣さんは意地悪センセイ！

▼涙のハッピーウエディング

【櫻木side】



本当に、こうなるとは思ってはいなかった。




「櫻木先生〜見てください！結婚式の為にお母さんのワンピース借りたんです！」


マンションの廊下にて、嬉しそうにクルクルと回るお隣さん兼、生徒が一名。


6月の良く晴れた日。

こういう時はきっと挨拶か何かで、お日柄も良く…的なことを最初に喋るんだろう。



そう、これから大学時代の先輩である松木先生の結婚式だ。


松木先生の結婚式にどうしても出席をしたいと面倒なことを言う高梨結芽に、松木先生本人に直談判しろと言ったところまではよかった。


生徒である高梨を出席させるなんてことはまずないだろう、と。


しかし、次の日 本当に直談判しに行った高梨は松木先生から出席の承諾を得たという。


これには相当驚いた。


松木先生に慌てて伺うと……


『櫻木くんが結芽ちゃんを連れてくるっていう条件で承諾したわ。櫻木くん、結芽ちゃんのことよろしくね？』



なんて、笑顔で言われたのだった。



本当、面倒だ。

何が悲しくて休日までこの厄介な生徒の面倒を見なきゃなんねぇんだ。