3つの視線、1つの物語

「手が空いたから手伝っていたんですよ。それより、ノア。いつまでそんな、みっともない姿でいる?姫様の前なんだぞ。着替えなさい」


姫様の言葉なんて痛くも痒くも無いらしい
笑顔で姫様の言葉を交わして、俺に厳しい言葉をぶつける


「…わかりました」


反論はしないよ
みっともない姿なのは確かだしね

誰のせいだよ…って喉元まで出掛かったけど飲み込んだ

言葉を飲み込んで、姫様に向き直る


「すみません…姫様。着替えてきます。すぐに戻ります」


着替えるだけだし、城内だし、コンフィーヌ様もいるから危なくないだろう


「では、姫様…ノアが着替え終わるまでは私が側にいますので、ご安心を」


コンフィーヌ様が姫様の近くに行くのを見ながら、俺は部屋へと戻る


「さぁ、姫様…ベンチに腰を掛けてゆっくりと…」


コンフィーヌ様のそんな言葉を背後に聞いていると…急に後ろに引っ張られた

不思議に思って振り返れば…
姫様が俺の服の袖口を掴んでいた


「ぇ、姫様?」

「ノアが戻るなら…私も戻る」


姫様が…自分から"男"に触れてきた…俺に

あぁ、何これ…
懐かない野生の猫が擦り寄って来た時の感覚
ヤバい…可愛い…
姫様を撫で回したくなってきた


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