君が冷たい理由。【完】





「え?」



「颯太って呼んで」



「颯太…くん?」



「ん。」






彼はそういうと私の頭をポンポンとしてくれる。




「颯太、くん…なんで私をこの場所に?」



「見せたかったから」



「…え?」




「さっきすみれに誘われたんだけど、楓に見せてーなーって思ったから」



「え…っと、あ…」






見せたいな、って言われたことも凄く嬉しかったが
“楓”そう、彼に呼ばれたことが凄くなぜか嬉しく思えた。




――胸が弾んだ。




「ありがとう。颯太くん」



「ん」




彼に向かって微笑むと、なぜか一瞬苦しそうな表情を浮かべて微笑んだ。





< 59 / 217 >

この作品をシェア

pagetop