ハッピーアワーは恋する時間
来月、ハネムーンでタイへ行くことになってたけど・・・キャンセルしなきゃ。
少なくとも、“私は”行かないし。
私は、思いっきりため息をつくと、意を決して、辞めたばかりの職場へ電話した。
「もしもしっ!あーよかったぁ!電話つながって」
「ケイちゃん・・・」
「ホント・・よかった。未散がちゃんと生きててくれて・・」と言ってくれたケイちゃんの声は、少し涙ぐんでいるような気がした。
同じ部署だったケイちゃんは、同期の中でも一番仲が良かった。
だからケイちゃんは、昨日の・・結婚式から参列してくれていて、あの場面にも遭遇したはず。
「・・・ごめんね」
「なんであんたが謝るのよ!どー考えても悪いのはあっちでしょ!もうホント、未散は・・・災難だったね」
「“災難”なんて、控えめすぎる言葉に聞こえるけど・・・そうだね。その言葉、今の私にピッタリかも」
ケイちゃんの、元気ながら気遣う声を聞いていたら、私の口元に、少しだけ笑みが浮かんだ。
でも、ケイちゃんから「実は社内でもその話でもちきりなんだー」とヒソヒソ声で言われたとき、私の笑みは、すぐ消えた。
少なくとも、“私は”行かないし。
私は、思いっきりため息をつくと、意を決して、辞めたばかりの職場へ電話した。
「もしもしっ!あーよかったぁ!電話つながって」
「ケイちゃん・・・」
「ホント・・よかった。未散がちゃんと生きててくれて・・」と言ってくれたケイちゃんの声は、少し涙ぐんでいるような気がした。
同じ部署だったケイちゃんは、同期の中でも一番仲が良かった。
だからケイちゃんは、昨日の・・結婚式から参列してくれていて、あの場面にも遭遇したはず。
「・・・ごめんね」
「なんであんたが謝るのよ!どー考えても悪いのはあっちでしょ!もうホント、未散は・・・災難だったね」
「“災難”なんて、控えめすぎる言葉に聞こえるけど・・・そうだね。その言葉、今の私にピッタリかも」
ケイちゃんの、元気ながら気遣う声を聞いていたら、私の口元に、少しだけ笑みが浮かんだ。
でも、ケイちゃんから「実は社内でもその話でもちきりなんだー」とヒソヒソ声で言われたとき、私の笑みは、すぐ消えた。