ハッピーアワーは恋する時間
それから「退院」許可が下りた私は、母に付き添われながら歩いていた。
そのとき、「未散!」と私を呼ぶ、聞き慣れた低い声が聞こえた。

この人のことは好きだった。愛していた。
だけど今は、この人の声を聞いただけで、虫酸が走る。
でも・・・ちゃんとケリをつけないと。

私は、「未散。あぁよかった。俺・・・」と言っている博文さんの顔前に、いとこのヒロくんが取って来てくれた、ほやほやの離婚届をつきつけてやった。

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