【短編】愛トキドキ憎しみ
慣れた手つきで制服のリボンを外され、ゆっくりと服をはぎ取られていく。


智輝の指が触れた部分が敏感に反応し、漏れる声を押さえきれない。



「……フッ……アッ……」



静かな部屋に響き渡る自分の吐息と喘ぎに、恥ずかしさを覚える。


慎司とは違う触れ方。


慎司みたいに意地悪を言うことはない。


だけど、智輝の手が言葉を奏でているかのように触れて私を鳴かす。



慎司とは違う……また、慎司と比べてるよ。



浮気ってこんなもの?


妙に冷静でいられる。


身体は敏感に反応しているのに、想像以上に心がついていかない。


まるで、心と身体が切り離されたかのよう。



気付けば二人とも何も纏っていなくて。


そして……。


一つに重なった。


本当に……しちゃった……。


気持ちいいけれど、気持ちよくない。


変な気分……。


身体はこの快楽に溺れてしまいそうなのに、心はどこかに置き去りにされたかのようだった。



「……ねぇ、智輝」


「……何?」


「何……で、私と浮気してくれたの?」


「……そんなの決まってるだろ」



智輝の動きが激しさを増すとともに、衝撃の言葉を放った。



「……好きだから」



ドクンッ。


その言葉を聞いて心が震えた。


智輝が私を?


好……き?


さっきまであれだけ冷静だった心が、激しく音を立てて鳴り響く。


そして、比べようのない快感を感じる。


押さえきれない身体の疼き。


……まるで慎司としているかのように気持ちいい。


もう冷静ではいられなくなっていた。


智輝が……私を好きって聞いて嬉しくて心が震えた。


もしかして私も智輝に惹かれていた?


なぜだか愛しさが込み上げてくる。


こういう行為って、心が存在していないと本当の快感は得られないのかな……。


智輝……


私……


すごく後悔した。




ごめんね……。



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