この恋心に嘘をつく
身を乗り出す勢いで、力説する。
「…もしかして、就職にはあまり興味ない?」
焦る凛子とは裏腹に、男性はやけに落ち着いている。
「いえ、就職はしたいです…けど」
男性があまりにも冷静なので、凛子も落ち着きを取り戻してきた。
とりあえず、ミルクティーを飲もう。
「なら良かった」
コーヒーを飲み終え、男性が立ち上がる。
「じゃあ今夜、迎えにいくから」
「……え?」
ひらひらと手を振りながら、男性は颯爽と立ち去っていく。
「な、なんなの…? あ、バイト! お会計も!」
時計で時間を確認して、凛子は慌てて席を立つ。
その後、急いで会計を済ませようとレジへ向かったら、ウェイトレスに笑顔で、
「お連れ様がお支払いされました」
と、言われた時の驚きは、当分忘れそうにないと思う――。