今日こそ絶対に自殺します。
ーーー悲劇は唐突に起きた。
「プルルルルーーープルルルルーーー」
学校にいる途中、俺の携帯に電話がかかってきた。
「ーーーもしもし」
「ーーー千崎さん!?
光ちゃんが…光ちゃんが大変なの!!」
ーーーえ?
「とにかく急いで病院に来て!!
ーーー急いで!!」
病院からの電話だった。
「………光」
ーーー俺は急いで学校を出て、病院に向かった。
病室に入ると、そこにはーーー
「……っ!!」
手首を包帯でぐるぐる巻きにされた光が、力なくベッドに横たわっていたーーー
包帯からは、赤い血が滲んでいる。
「嘘だろ……」
俺は光の元に駆け寄ると、肩を掴んで激しく揺さぶった。
「どういうことだよ!!
まさか…光……」
光は消えそうな声で言った。
「ーーー殺して…
死なせて……たっちゃん……」
ーーー自殺未遂だった。
光は手首をハサミで切ったのだ。
「殺してよ……たっちゃん……」
光はもう、その言葉しか口に出さなかった。
毎日毎日、死にたい、殺してくれと呟いては、目に涙を浮かべていた。
ーーーものすごく、ショックだった。
それと同時に、目の前が真っ暗になったように思えたーーー
光がいなくなってしまったらーーー
俺はどうすれば…いいんだーーー
すごく、すごくーーー
怖くなったーーー