ワケあり彼女に愛のキスを
「優悟、こういうの面倒くさがりそうなのについてきてくれるなんて意外」
「正直すげー面倒。でも、黙ってゴミ漁られんのも気持ち悪いだろ」
「おまえ、女だし特に」と付け加えられた言葉に、舞衣が少し驚いた顔をした後、微笑む。
なんだかんだいっていつも優しくお人よしな優悟がおかしくて、嬉しくて。
「優しいね、優悟は」
大体にして、自分をこうして泊まらせてくれているっていうだけでもう十分お人よしに分類される。
家賃も光熱費も食費さえもとらずにただ居住させてくれているのだから、実際にはそんな言葉じゃ収まらないかもしれない。
本人は〝お人よしじゃねー〟と嫌そうに言ってはいるが、実際のところは怪しかった。
最初こそ、傲慢な物言いばかりが先にきて優悟の優しさに気付けなかった舞衣だったが、一緒に過ごすうちに気付くようになっていた。
秀一との事も、放っておけばいいのになんだかんだと口を挟んでくるのは優しいからなのだろう。
そんな風に思い……あれっと不思議になる。
今までだって秀一と別れた方がいいだのと言われる機会はたくさんあった。
それこそ、告白してきた男はみんな口を揃えて同じ事を言っていたし、先週内間にだって言われた事だ。
なのに、その人たちには何も感じなかったのに、なぜ優悟に対してだけ〝優しいからだ〟なんて事を思うのだろうと不思議になる。
自分で言うのもおかしいが、その類の意見には聞く耳持たずできたハズなのに。
『いくら過去助けられたからって、そんなもんたった一度だろ。なのにそこまでこだわるヤツなんていねーよ。普通じゃない』
『少し、現実見ろよ。ちゃんと自分と菊池の関係を客観的に見た方がいい。
そしたらおかしいって気付くだろ』
あの時……なぜ、言葉を失うほどにショックを受けたんだろう。なんで優悟の言葉だけ、流さずにきちんと受け取ったのだろう。