自己中(元)彼の取扱書
「久しぶり」


貼り付けたような笑みを、あたしに向ける。


「潤和、朱莉ちゃんと知り合いなの?」


悠馬が不思議そうに、尋ねる。


余計なこと、言わないでよね?!


あたしは潤和のことを睨み付け、威嚇する。


なのに、潤和はサラッと意味のわからないことを口にする。


「俺の女」


・・・はぁ?!!!


な、な、な、何言ってるわけ?!


誰が、誰の女よ?!


頭おかしいんじゃないの?!


「えっ!?朱莉、彼氏居たの?居るなら、もっと早く教えてよ」

「彼氏なんて、居ないし」

「そこまで、必死に隠さなくてもいいのに〜。朱莉は照れ屋だから」


誰が、照れ屋だ!!


お前がサラッと、ありもしないことを言うから、話が可笑しくなってるじゃん!!

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