恋、物語り



「アンタのせいで、アヤがこんな悩んでんだよ?」

「は?コバに告白しただけで悩んでるの?
どんだけ自分に自信ないの?」


ユウコの顔は実に迷惑そうで。
ため息をついたあと、短めの髪を掻いて私を睨む。
その瞳に、息をすることさえ忘れていた。


「…あ、あの…」

やっと発せた声はとても細く、自信のなさの現れのようだった。
ユウコは、私から目を離さずに睨みをきかせる。



「小林くんと、キスしたの…?」

「…は?なんで知ってんの?」

頭を鈍器で殴られたような鈍い痛みが広がる。
ガタガタと震える唇は止まることを知らなくて…。
その場に倒れてしまいそうだった。



「やっぱり、したんだ?…」

「したけど…ちょっと待って。誤解してない?」


頭に乗せていた手を下ろして、目を丸くしてユウコは大声をあげた。
ナツキも驚いた表情を見せる。


誤解?何を?ーー…



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