恋、物語り
はぁーーーと、長いため息のあと、ナツキは立ち上がって言った。
「ユウコに話し聞いてこよう」と。
「む、無理だよ!だって、そんな突然…!」
「コバが拒まなかった。それだけでユウコは私も望みあるかもって思ってるかもしれないよ」
「でも…」
でも、何て言えばいいの?
小林くんは私の彼氏だから近づかないでって?
もう、あの2人はキス…しているのに?
「アヤがいつまでもモヤモヤしてたって仕方ないでしょう」
いつもナツキは唐突で。
でも、その唐突さがいつも私を引っ張り出す。
手を繋いで階段を上がる。
休み時間になるのを待って、ナツキがユウコを呼び出した。
ーーーー…
「…なに?」
ユウコは少し迷惑そうに声を発した。
「…あんた、何したか分かってるの?」
ナツキも苛立っているのが分かる。
緊迫した状況の中、私はただ黙っていることしか出来ない。
そんな自分が恥ずかしくて。
下を向いてることしか出来なかった。