恋、物語り
キーンコーンカーンコーン……
一日を終える鐘が鳴り響く教室。
帰り支度を始めるクラスメイト。
私もその中の一人。
カバンの中に筆箱をしまい
肩にかけてナツキを呼んだ。
ナツキを「彼氏と約束あるから途中まで一緒に帰ろう」と
同じくカバンを肩にかける。
キュっと靴音を鳴らし廊下を歩く。
たわいもない話に笑いながら一歩一歩進む。
ナツキの足取りは
彼氏と会える喜びで軽くなっている。
玄関に着いて靴を履き替えると
「立花さん」と
声を掛けられた。
ナツキと同時に振り返ると
立っていたのは小林君だった。