恋、物語り
ーー…また、あの感覚。
顔が熱くなる。
「は、はい!」
どもりながらも小林君の呼びかけに答えた。
後ろでニヤニヤして笑う小林くんの友人。
私の後ろでナツキはどんな顔をしているのかな。
「あの…アドレス教えてくれないかな?」
「あ、うん。いい…よ」
やった!と小さく発して
彼はまた屈託なく笑うの。
ほら、その笑顔…
火照るからだ。
震える指先。
「…送信」
せーので赤外線のボタンを押す。
あなたの指。
震えていない指先。
…綺麗だな。と思ったの。