恋、物語り
顔が火照るのを感じる。
手も耳も首も赤く染まって行く。
「今度、コバと遊ぶとき俺も呼んでねー」
とまた冗談っぽく言った後
じゃあね、バイバイ。
と、去って行った。
「あの人、屋上に何しに来たんだ?」
そういうナツキの言葉が
半分しか聞こえて来ない。
心臓が早い。音が大きい。
胸がギューっと締め付けられる。
痛い、イタイーー…
「…ヤ?おーい、アヤ!」
ハッと気が付いた。
ナツキは私の目の前で手をふっていた。
「トリップしてた?得意だもんね」
ナツキはそう悪戯っぽく笑った。
いつもなら過剰に反応してしまう
ナツキの言葉も今は届かない。