恋、物語り



ミツルの家に着くと騒がしい声と共に
ミツルのお母さんが「いらっしゃい」と言ってくれた。


ミツルの家は平屋の一軒家。
部屋に入るとみんな笑いあっていた。

「お、来たきた!名物カップル!」
ミツルがからかうように言うから
顔が赤くなる。

「ちょっと、まだ付き合ってないから」
彼が頬を赤らめていうと
「まだ、ね」とみんな笑った。


その中に、中島くんの姿があったから
やめてほしかった。
言わないでほしかった。

目をギュッと閉じるとそこは暗闇で。
吸い込まれてしまいそうだった。


「アヤ?」
千夏の声に目を開ける。
大丈夫?と私を気遣ったあと
「あんたたち、アヤは純情なんだから冗談でもカップルとか言ってからかうのやめてあげな!」と一喝した。


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