誰よりも大切なひとだから。



告白すると親友の優希に宣言したことを思い出す。


バレンタインの日が勝負だから。
あと20日を切っている。


優希とラインをすれば、ちゃんと告白するように、と仕向けてくれる。


私の気持ちがブレないために。


ほんと、優希には頭が上がんないな。
ラインするたびに、うん、気持ちだけは伝えようって思わせてくれる。


……なんて考えながら、長野くんを見つめていると。


黙り込んだ私を怪訝に見つめ返された。


「お互い、頑張ろうね」


沈黙の理由をごまかすようにそう言うと、彼は力強く頷いた。


< 103 / 156 >

この作品をシェア

pagetop