誰よりも大切なひとだから。



しばらくすると、顔色に朱が戻ってきたから、みんなちょっとホッとした。


「すみません。心配かけて」


「お前の服が薄過ぎんねん」


確かにパーカー一枚はどうかと思う。


「なんで、この季節にその薄さ……」


呆然と呟く私に、長野くんは苦笑いのような笑いを浮かべた。


「これでも、行けるかなーって思ったけど。無理やった」


「うん。そりゃあ無理でしょ」


喋ったことなかったから、知らなかったけど、もしかすると……長野くんはおっちょこちょいの天然なのかもしれない。


新たな発見である。



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