一途な彼と不器用彼女①




蒼依「それはただ責任を押し付けただけの最低人間だ。」



麻亜「うわああああッッ!!」



蒼依「恋なんてしなければ、お前は人を殺さずに済んだ。
蘆田陸を好きにならなければ。
苦しい思いもしなくて済んだ。」



──カラン



蒼依「もういい加減目を覚ませ。
前だけを見ればいい。
自分のやったことを全て話せばいい。
そして生きて償え。」



麻亜「うわああああ!」



私の思いが彼女に伝わったかわからない。


優兎斗を愛さなければ私は過去に縛られる事もなかった。


でも優兎斗を愛したお陰で得れたものもたくさんある。


仲間や愛、命の大切さ、そして新しい命。


そう考えればやっぱり優兎斗を愛してよかったっと思う。


けして優兎斗を失って良かったわけじゃない。


今でも叶うならこの世界で優兎斗と共に生きたかった。


でも人間は運命には逆らえない。


それはどんな事があっても。


ただひたすら前を見て歩くことしかできない。



彼女はただ陸を愛しすぎた。


ただそれだけの理由。



──パーン



でもその彼女の気持ちを利用した。


成敗しなければいけないやつが他にいる。



「素晴らしい瞬発力だこと。
やっぱり君は───」



零「やっとお出ましですか?
ちょっと遅すぎません?」



本当の黒幕は。



蒼依「悪魔……いや、尾見瞬(Omi Syun)」



尾見瞬、別名:悪魔


そして



魁柊「………兄、貴?」



魁柊の実の兄だ。




( 一途な彼と不器用彼女① end )

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