痛々しくて痛い
「それがね、何だか、大丈夫だったの」

『え?』

「麻宮君が怒ってたっていうのは、どうやら私の勘違いだったみたいで…」


一瞬思案した後続ける。


「別の事柄でちょっと思う所があったみたいで、それで態度が厳しめだったんだけど、私が原因ではなかったんだって」


『同期に告白されて云々』というのまではあえて説明しなかった。


そこまでプライベートな事を暴露するのは、麻宮君に申し訳ない気がするし。


『あ、何だ。そうだったんだー』

「それとね、新部署内での人間関係も、気に病む必要はなかったみたい」


そこでふいに、お昼休みの時のあの楽しい会話が甦り、思わず笑みを浮かべつつ言葉を繋いだ。


「皆さんすごく楽しくて良い人ばかりで、自分でも拍子抜けするくらい、その輪の中に自然に入り込む事ができたんだ」


仲間外れになる危機感を抱き、憂鬱な気持ちで今日まで過ごしてしまったけれど、勝手に皆さんを悪役にして悲劇の主人公ぶるような事をしてしまい、今となってはホント情けないし恥ずかしいし申し訳ない。


『そっかー。良かったじゃん!』

「うん」

『それじゃあもう、心配事はすっかり消えてなくなったって訳だね』

「あ、で、でも」


私は慌てて補足した。


「宣伝や広報なんて、業務内容が未知の世界だから、それに関しての不安は依然としてあるんだけど…」
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