痛々しくて痛い
『さて、と』


すると優子ちゃんは満足しきった声音で話の締め括りに入った。


『言いたい事は言えたし、そろそろネームに取りかかろうかな』

「あ、もしかして仕事中だったの?ごめんね」

『いんや?その前段階。これからこなすべき作業に集中する為の、リフレッシュタイムだったの』

「じゃあ、その時間を邪魔しちゃったんだ…」

『いやいや、違うよ。むしろその方が都合が良かったんだって。そうなるようにあのタイミングで電話したんだから。まぁ、結局折り返させちゃったけどさ』


優子ちゃんは慌ててフォローしてくれた。


『本当に切羽詰まってる時は電話なんかかけられないし、申し訳ないけど受ける事もできないから。それができてるんだから、今日は充分余裕があるってこと。むしろ、愛実とこうやって話ができて、それこそ良いリフレッシュになったよ』

「そ、そう?」


「エヘ…」と照れ笑いを漏らした私に呼応するように、『フフッ』と笑い声を立てたあと、優子ちゃんは話を仕切り直した。


『という訳で、今日の所はこの辺で。ウェルカムドールの件、よろしくお願いします』

「あ、はい」

『これから愛実も色々と大変だと思うけど、頑張り過ぎずに頑張ってね』

「ありがとう」

『それじゃあ、またね』

「はい、またね~」
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