痛々しくて痛い
またもや疑問が浮かび上がり、私は絹田さんにそれを投げ掛けた。


「総務が毎月一括で注文して、各階の給湯室に分配してるんだって。だからそこから必要な分取って来て。もし給湯室にも在庫がなかったら、総務に声かけてだってさ」

「分かりました」

「ま、とりあえずこんな感じかな。後は実際に動いてみて、分からなかったらその時にまた聞いて」

「はい。ありがとうございました」


ペコリと頭を下げつつお礼を述べた私と時間差で同じ行動をした後、麻宮君は「ふ~」と息を吐きながら、頭を左右に動かしてコキコキと首を鳴らした。


「何だかだいぶお疲れのようだね」

「あ、すみません」


絹田さんの言葉に慌てて姿勢を正し、麻宮君は続けた。


「長時間端末操作ってのが初めてだったから、すっげー肩こっちゃって…」

「ああ、昨日の午後はずっとテープ起こしだったもんね」

「30分くらいのインタビューなのに、文字に起こすのに午後いっぱいかかりましたからねー。いやー、まいった」


それを聞いて私は『なるほど…』と思った。


彼が部屋に入って来た時、珍しくちょっと元気がないように感じたのだけれど、そういう事情だったんだ。


「慣れない作業は辛いもんね。眼精疲労も半端ないんじゃない?」

「そうですね~。大庭さんのアドバイス通り、定期的に目を休めたりストレッチしたりしてたんですけど…。すみません、軟弱で」
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