痛々しくて痛い
「別に謝る必要はないよ。こっちこそ、気付いてあげられなくてゴメン」

「あ、いや、そんな」

「樹さんも言ってたけど、昨日から本格的に始動したとはいえ、しばらくは内勤でのコツコツ作業が続くと思うんだ。そのうち外回りとかアクティブに動く仕事も出て来るだろうから、自分のキャパを越えない範囲で頑張って」

「はい、それはもちろん。精一杯頑張ります」


麻宮君の宣言に笑顔で頷いたあと、絹田さんは私に視線を向けた。


「綿貫さんは?大丈夫なの?」

「あ、えと…」


一瞬思案してから返答する。


「私はもう万年肩こりなので、昨日の仕事が影響しているかどうか、ちょっと判断できかねます」

「あらら、そうなの?」

「はい。編み物が趣味なもので、一点を見つめたまま同じ姿勢で長時間過ごす、っていうのは日常茶飯事でして…」

「へー。どれどれ?」


回答の途中で、麻宮君はそう言いながら素早く私の背後に回り込んだ。


「あ、ホントだ。こりゃすげーわ」


………え?


「コリッコリだぜー。この状態が当たり前って、かなりやばいんじゃねーの?」


私は思わず固まってしまった。


だって、麻宮君の両手が、私の両肩をガッシリと掴み…。


とてもナチュラルにリズミカルに、揉み揉みしているんだもの。


「聞いてる?綿貫」

「え?あ…」
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