痛々しくて痛い
私が2月1日付で異動すること、その異動先の名称は、上司である店長も当然把握している。


また、『販売促進総合プロデュース課』が新設されるという事も、事前に総務部から全社員に向けて通達されているので、私が説明するまでもなく皆さんその概要を掴んでいた。


「しかも、業務がスムーズに進行するようにって、わざわざ外部の人を呼び寄せたんでしょ?」

「あ、はい。広告代理店に勤めていた方と、フリーのデザイナーさんを…」


前者が絹田伊織さんで、後者が大庭颯さん。


お二人はお正月明けからすでに真々田屋本社にて正社員として勤務していて、現時点ではまだ総務部総務課に籍を置く染谷さんと共に、新設部署始動に向けての準備を進めて下さっているのだ。


「いかにも会社の期待を一身に背負った、『花形部署』って感じよね」

「そ、そうですよね?だからこそ何故に、私があの課に配属される事になったのか、つくづく不思議で仕方がないんですが…」

「あら、そう?私は別に疑問に思わないけど」


店長は小首をかしげ、若干目を見開きながら言葉を繋いだ。


「一からのスタートな訳で、PR活動についての実務経験者も確保しておきたかったんだろうけど、やっぱりその仕事柄、自社の製品に精通している事も重要だと思うのよ。なおかつ、若い感性も必要不可欠だと思う」
< 16 / 359 >

この作品をシェア

pagetop