痛々しくて痛い
「実際、子持ちの友人知人の家に遊びに行くと高確率でその本が置いてあって、チラッと中身を見せてもらったりもしてたんで」

「具体的にはどんな感じの内容なんだ?」

「んー。子育てに忙しいママの生活が少しでも快適になるように、お洒落で便利なキッチングッズや掃除用具を紹介していたり、家事の工夫や裏技を伝授してたり」


伊織さんは宙に視線をさ迷わせ、記憶を辿るように言葉を繋いだ。


「後は、低予算だけど味も栄養価もバッチリな、お子様からお年寄りまで万人受けする料理のレシピとか、家計のやりくりのアドバイスとか。あ、各地にある、親子支援サークルの連絡先一覧表なんかも載ってましたね」

「とにかく新米ママの心引かれる情報が盛り沢山な雑誌ってワケか」

「ですね。もちろん、別に子持ちじゃなくても、さらには結婚してなくても読むのは自由でしょうけど。ただ、お便りコーナーなんかを見る限り、読者は乳児から小学校低学年くらいまでのお子様を持つ主婦の方が多いみたいです」

「それじゃあもう今回のプレスリリースにはうってつけのターゲットだよな」

「そうですね。配信先のチョイスは大成功だったって事です」

「で、いつ取材にお越しいただく予定なんですか?」


そこで颯さんがドキドキワクワクを抑えきれないような声音で質問をぶつけた。
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