痛々しくて痛い
「3月20日発売の4月号に掲載予定らしいから、当然、それより前だわな。今打診されているのは2月の最後の週の平日のいずれかだ」

「え!?あんまり時間がないじゃないですか」

「ああ。だけど、入園入学グッズに関しての情報を盛り込みたいんだから、4月号を逃したらあちらさんにもウチにも記事を載せるメリットがないだろ?材料をチョイスするだけのサービスは4月5日まで、さらに、完成品をご希望なら申し込み締め切りは3月25日までだし。まぁ、どっちみち情報を取得するタイミングとしてはだいぶギリギリだが」

「そうですけどー…」

「とりあえずはあちらさんの要望に沿った稟議書作って、至急回覧だな。プレスリリースを取り上げてもらう事と、取材を受け入れる事はまた別物だから。俺達だけで勝手に判断する訳にはいかない。各部署や上層部にきちんと御伺いを立てないと」


颯さんとのやり取りはそんな風に締めくくってから、染谷さんは全体に向けて言葉を発した。


「今回の稟議書は俺が作成するから。もちろん、皆にも後で目を通してもらう。とにかく今月下旬、販促総プロ課として初の取材対応の任務があるかもしれないという事は、皆念頭に置いておいてくれ」

「はい」

「分かりました」

「んじゃ、この件はひとまずここまでで、次の議題な」


そこで染谷さんはデスクの端に置いてあったカップに手を伸ばしてコーヒーを口にし、喉を潤してから続けた。
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