痛々しくて痛い
「そう。よく、デパートなんかで全国各地のグルメ市をやってるだろ?そういうイベントで常に人気ランキング上位に君臨している飲食店に声をかけて、出店してもらおうという企画が進んでいるらしい」

「わー。何だかすごく楽しそう~!」

「いかにもお祭りって感じですね」


颯さんと麻宮君が言葉通り、心底ウキウキした表情で感想を述べた。


「今は各団体に交渉している最中だそうだ。それらが確定した時に、すぐに動けるようにしておいてくれと言われた」

「プレスリリースの配信、ポスターやチラシの作成、それに関する取材対応等、ですかね?」


伊織さんが確認を取る。


「ああ。で、実はここからが肝心なんだけど、そういった広報課としての通常業務をこなすのは当然の事ながら、さらにイベントを盛り上げる為の、効果的な宣伝方法を考えて欲しいと言われて」

「効果的、ですか」

「何せウチは『販売促進に関する業務を総合的にプロデュースする課』だからな。いよいよ重大ミッションが下ったワケよ」

「記念すべき60周年のイベントのPRですもんね!気合い入れないと」

「60年か…」


すると颯さんの言葉を受けて、伊織さんがポツリと呟いた。


「私の父親よりも年上なんだ。そう考えると、すごい歴史だな」

「え。伊織の親父さんってそんな若いのか?」


ギョッとしたように染谷さんが問い掛ける。
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