痛々しくて痛い
爪にあんな邪魔なもんがくっついてたら俺だったら間違いなく手の動きが覚束なくなるところだけど、二人とも器用に箸やグラスを掴んでいて、そこは大いに感心してしまった。


お洒落を楽しむ為には、修得しなければならない技術があるという事だ。


とにかく、いかにも今時の、教科書通りの『20代半ば女子』って感じの二人だった。


もちろん、職場ではもうちょっと抑えた装いなんだろうけど、髪の色はこのままだろうし、プライベートとはまるで別人、っていう程の変化はないと思う。


そして今の時代、女性社員がある程度着飾るのは許容されているだろう。


高校時代、この二人を含め、いつも一緒につるんでた女子達は皆こんな感じだったよな。


あの時は「今時の女子高生」だったし、前回の同窓会で再会した際には「今時の女子大生」だった。


常にその時代その時代の流行りを押さえていたのだ。


そして、とにもかくにもテンションが高くて、ぶっちゃけ我の強さをヒシヒシと感じる。


綿貫と伊織さんとはだいぶイメージがかけ離れているよな。


そこで『ああ、そうか』とふいに気が付く。


無意識に職場の女性陣の立ち居振舞いと比べていたから、すこぶる違和感を覚えていたんだ。


おっとりゆったり綿貫と、キャピキャピとは対局の位置にいる、伊織さんのクールな姉御っぷりにすっかり慣れ切っていたから。
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