痛々しくて痛い
伊織さんも見かけは華やかだけど、実は化粧はかなりナチュラルだしな。


塗っているのはファンデーションと口紅までで、眉毛もまつ毛も自前らしいしアイシャドウもアイラインもチークもナシ。


だけど肌の血色が良く、目元がキリッとしているので、余計な小細工は必要ないのだった。


綿貫も、大人の女性のたしなみとして必要最低限のメイクは施しているようだが、いかんせんチョイスしている口紅の色が地味なので、伊織さん以上にすっぴん時との差は少ないと思う。


眉毛も、あの形や長さは絶対手入れなんかしていない。


二重なんだけどちょっとタレ目だから、何だか目元がぼんやりとしていていつも眠そうな顔つきだし。


あのモサッとした感じがコロ太を連想させるんだろうな、きっと。


体は別にコロコロと太っている訳じゃないし。


かといってガリガリな訳でもないけど。


成人女性として、健康的で理想的な肉の付き方だと思う。


そこまで考えた所でハタと我に返った。


って、何で俺こんなに綿貫の生態に詳しいんだ?


服の上から肉付きの良さをチェックしてるなんて、ちょっとキモくね?


やっぱ1日のほぼ大半を一緒に過ごしていると、どうしても相手のデータを無意識に取得しようとしてしまうんだろうな。


「あ、そろそろこっちも分けちゃおうか」
< 244 / 359 >

この作品をシェア

pagetop