痛々しくて痛い
「あんなキモオタグループの一員の味方するなんて、麻宮君も落ちたものだよねっ」


戸惑いながらも、俺が繰り出した反論をはね除けるように、吉田は憎々しげに言葉を吐き捨てた。


「あ、漫研の奴らでしょ?痛々しかったよねー、アイツら」


星野も意気揚々と参戦した。


「教室の隅っこに固まって、なんちゃらかんちゃらっていう漫画の話で陰気にボソボソニヤニヤ盛り上がっててさー」

「ほんっと目障りだったわ!」

「でも綿貫、イマイチその話に入り込めてなかったよね。数少ない友達の中でも結局浮くのかよ!って、チョーおかしかった」

「話が合わなくてもあのグループにしがみついてるしかなかったんでしょ。他に居場所なんかないし。そこを抜けたら瞬く間に孤立するからね」

「つくづく哀れだよねー」


俺は思わず呆然としながら二人の会話に耳を傾けていた。


これぞ正に「スイッチが入る」という表現が相応しいくらい、ついさっきまでは俺達と、和気藹々と語らっていたというのに、綿貫の名前が出た途端、態度や顔付きが豹変し、これでもかとばかりに彼女をこき下ろし始めた。


大人しくて無害な綿貫の、何がそんなに気に入らないのか理解に苦しむし、正直、その醜悪な表情と声音にドン引きしてしまった。


「ちょっと落ち着けよ、お前ら」
< 255 / 359 >

この作品をシェア

pagetop