痛々しくて痛い
すると、きっかけを作った張本人のくせに、成す術もなくただフリーズしている役立たずな俺の代わりに、陣内がやんわりとたしなめる。


「元クラスメートだろ?そんな悪し様に言うのはどうかと思うぞ」

「だってムカつくんだもん!あのグループには散々クラスの和を乱されてさー」

「ホントだよねー?」


しかし吉田も星野も怯まない。


頬を紅潮させ、若干舌をもつれさせてわめき散らす。


そこでふと気が付いた。


彼女達が突然の興奮状態に陥ったのは、もしかしたら飲酒の影響が多大にあるのかもしれない。


そろそろ酔いが回って来る頃だし。


いくら何でも明け透けにも程があるし、アルコールの作用によるものなのだとしたら、このエキサイトっぷりも充分納得できる。


「あ、そうだ。綿貫と言えば思い出した」


しかしそれが分かったからといって、だったらどう対処したら良いのやら皆目見当がつかず。


「アイツって何をやらせてもトロかったけど、家庭科だけは奇跡的に得意だったんだよね」


相変わらず俺は二人のやり取りを呆然と眺めていた。


「で、私あの子と同じ班だったからさ。授業中にあれこれおだてて、面倒なミシンの準備とか机回りの清掃とか、色々押し付けちゃった」

「ああ、覚えてる。弥生、当時『ちょろいちょろい』って言ってたもんねー」
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