痛々しくて痛い
「結局、そうなるんだよねっ」


吉田の声はさらに震え、みるみるうちに瞳が潤んで来た。


「何だかんだ言って守られるんだよね、ああいう子って。どうせ私は気が強くて意地悪で、さぞかし嫌なオンナなんでしょーよ!」

「ちょ、弥生…」


星野が心配そうに声をかけたが、それは吉田の耳にも心にも届いていないようだった。


「だけどさ、文句言われてムカつくなら、その場で言い返せば良いじゃん!周りから浮きたくないんだったら、そう努力しろっつーのっ。『人見知り』なんて言い訳にしてんじゃねーよ。私だって苦手な奴はいるよ。一人で静かにじっとしていたい時だってあるよっ。だけど周りをシラけさせないようにハブられないようにナメられないように、常に空気読んで努力して来たんだよ!」


とうとう結界を越えた滴が、頬を伝ってポトリと落下する。


そこから堰を切ったように、次から次へとボロボロと零れ落ちた。


「自分達で先に壁を作って輪から外れたくせに、被害者ぶってんじゃねぇよ!」


そのまま吉田は机に突っ伏し、号泣し始めた。


星野と陣内は困ったような顔でそれを見守っていたが、俺はため息をつきながら、椅子の背もたれにかけておいたリュックを外し、自分の膝の上に乗せた。


「今のお前には、何を言っても無駄みたいだな」
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