痛々しくて痛い
そんな風に自分の世界に入り込んでいた俺は、「ウフフ」という彼女の笑い声で我に返った。


「颯さんとお話してると、ホント楽しくて…」


それを裏付けるような表情と声音で綿貫は続けた。


「麻宮君もままだやんの設定を聞いたら、きっと笑っちゃいますよ~」

「あ、ああ…」


何だか落ち着かない気分になり、我ながら上の空な返答をしつつデザイン画を綿貫に返した。


……ホント綿貫って、颯さんと話してる時、すっげーリラックスしきってて楽しそうなんだよな。


やっぱ同じ空気感が漂っているからだろうか。


でも、天然同士がペアを組んでも意味がないっつーの。


やっぱそのボケを余すところなく拾えるツッコミ役が傍にいないと。


「えっと…」


そんな事を悶々と考えていると、綿貫がおずおずと問いかけて来た。


「プレクラス会、どうでした?」


心ここにあらずだった俺は一気に意識が覚醒する。


そうだよ。


この問題があったんじゃねーか。


だから今日ここに来るのを躊躇していたというのに、他の事柄に気を取られてすっかり忘れていた。


「吉田さん達は元気だったでしょうか?」

「あ~。えっと…。うーん」


しどろもどろにも程があったが、何とか自分を立て直し、無理矢理笑みを浮かべながら返答した。
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